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第327話 彼女も三井だ

みんなため息をつきながら、内心で三井鈴をボロクソに貶していて、厳しい言葉を投げかけた。

「あんなやつ、私たちと同級生の資格なんてない」

「次に会ったら、しっかり教訓してやるからな」

「浮気相手なんて、みんなで排除すべきだ」

翌朝、美和は調査から電話を受けた。「美和、調べてた三井鈴のこと、何もわからなかった」

美和は不満そうに言った。「役立たず!フランスってそんなに広くないのに、1人調べるのもできないの?あんたたち、何のためにいるの?」

調査の者は慎重に言った。「誰かが彼女の身元を隠してるかもしれないから、何の手がかりも見つからないのかも?」

美和は眉をひそめて、三井鈴にそんな力があるとは思えなかった。

「あんたたちが無能なのは仕方ないけど、勝手に他人のせいにするなんて、もう協力したくない……」

言い終わると、「ガチャン」と電話を切った。

その時、清水大輔がやってきて、優しい顔をして言った。「美和、朝から何に怒ってるんだ?」

美和は唇を噛んで言った。「何でもないよ、パパ!今日はビジネスサミットだから、うちもこの機会を利用してたくさん受注しないと」

大輔は満足そうに言った。「美和、その言葉を聞いて安心したよ。サミットではしっかり頑張ってね。それと、三井家の人たちも今年のサミットに参加するって聞いたけど……」

三井家の話を聞いて、美和の目が輝いた。

「陽翔も来るの?」

大輔は彼女の頭を撫でながら言った。「お前は陽翔のことしか考えてないな?」

美和は顔が赤くなった。フランスでは、陽翔は誰もが知るビジネスの神話だもん!それに、三井家の後ろ盾があるから、世界一の富豪なんだよね。

どれだけの人が彼に近づこうとしていることか!彼と結婚するなんて、夢のまた夢だよ。

美和もその例外じゃない。

「パパ、もし三井家と関係を持てたら、もう誰も私たちを見下すことはできなくなるよね?受注もこっちからお願いする必要なんてなくて、自然に声がかかるようになる」

大輔はニッコリ笑った。

美和が本当に陽翔を手に入れられたら、それは素晴らしいことだけど、彼は続けて言った。「陽翔が俺の婿になってくれたら嬉しいけど、三井家の娘も最近フランスに帰ってきたって聞いた。三井家はその娘を大切にしてるから、陽翔を狙うなら、まずその三井家の娘に接近するのもいいかもしれない」

美和
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